まず、日本ではどうやってレフェリーになる?
JBCの試合役員募集では、レフェリー候補者にボクシング経験が求められ、書類選考と面接を通過すると試合役員研修へ進みます。研修は約半年。そこで適性を見られたあと、ライセンスが発行されて実務が始まります。つまり「ボクシング経験者がそのままリングに上がる」のではなく、JBCの選考と研修を通る仕事です。
実は「レフェリーだけ」にはなれない
JBCの募集要項には、レフェリーのみ、ジャッジのみのライセンスは発行できないと明記されています。リング上で試合を裁く役目と、リングサイドで採点する役目は別ですが、日本の試合役員は両方を担える前提で育成されます。公開されているJBC試合ルールでも、レフェリーは反則、ダウンかスリップか、負傷の原因、試合を止めるかを判断し、ジャッジは各ラウンドを採点する役割として分けて説明されています。
誰が今日のレフェリーを決める?
西日本ボクシング協会が公開しているJBC試合ルールでは、各試合の審判員の担当割り当てはJBCが決め、オーナー、プロモーター、マネージャーは試合役員の選任や報酬決定に関与できない、とされています。少なくとも公開ルール上は、興行を主催する側が「このレフェリーで」と自由に選ぶ仕組みではありません。
世界戦になると、話が少し変わる
世界タイトル戦では、開催地のコミッションに加えて認定団体のルールも関わります。WBCの現行規則ではWBC会長がタイトル戦のジャッジとレフェリーの指名・承認を担い、必要に応じてローカルコミッションと調整できるとしています。一方WBOは、開催地コミッションによるオフィシャル選定を認めつつ、WBO会長が受け入れるか拒否する裁量を持つと規定しています。つまり「日本開催だから全部JBCだけで決める」「世界団体だけが全部決める」のどちらでもありません。
レフェリーは試合中、何を見ている?
公開されているJBC試合ルールを見ると、仕事はパンチを眺めて10カウントを数えるだけではありません。ダウンかスリップか、負傷がパンチか偶発的なバッティングか、反則への注意や減点が必要か、そして試合を続けさせてよいかを短時間で判断します。ジャッジは採点に集中できますが、レフェリーはリング上で試合そのものを管理します。
次に試合を見るときは、レフェリーも見てみる
選手だけでなくレフェリーを見ると、試合の情報量が増えます。ダウン直後にどこへ立つか、反則へいつ注意を入れるか、負傷時にドクターへ確認するか、一方的になった瞬間にどこで止めるか。リング上の一人は、JBCの選考・研修と担当割り当てを経て、そこで判断を積み重ねています。