10カウント以前は「30秒休んで、8秒以内に中央へ戻る」

1853年版London Prize Ring Rulesでは、選手が倒れるとラウンドが終わり、30秒後に再開の合図が出されました。そこから選手は8秒以内に、他人の助けを借りずリング中央のscratchへ戻る必要があり、戻れなければ敗北でした。現代のように倒れた場所で10まで数える方式とは構造が違います。

1867年のQueensberry Rulesで「10秒」が現れる

Marquess of Queensberry RulesのRule 4では、倒れた選手に自力で立つための10秒を与え、相手はその間コーナーへ戻ると定めています。10秒以内に立てなければ、レフェリーが相手の勝利を裁定できるという規定です。現在の10カウントにつながる骨格をここで確認できます。

現代は「10まで数える」だけではない

現在のプロボクシングでは、10カウントの周囲に複数の運用規則があります。ABCの統一ルールではmandatory eight countを採用し、standing eight countとthree-knockdown ruleは採用しません。ABCのガイドラインでは相手をneutral cornerへ移動させる運用も定めています。EBUとOntarioの規則では、レフェリーのカウントをタイムキーパーが秒数で補助する役割も明文化されています。

では、なぜ「10」だったのか

確認できるのは、1853年の30秒+8秒方式から、1867年には倒れた選手へ10秒を与える規則へ変わっていたことです。ただし、今回確認した一次・制度資料には「なぜ9秒でも12秒でもなく10秒を選んだのか」という制定意図を裏付ける説明を確認できませんでした。本稿では理由を推測せず、どの規則で10秒が現れ、現在の運用へどうつながっているかまでを確実な範囲として扱います。

出典・確認資料